ひそやかに、ただ
貴方のことを思い出すことさえも
罪になるというのなら
罪人であることに
何の躊躇もない。と、
そう言葉にすれば
貴方はどんな顔をするのだろうか
困ったような、優しい顔で微笑むのか
硬い表情を浮かべて遠くを見るのか
それとも、もしかしたら
傷に覆われたその皮膚の上に
涙を流し、
そして一瞬でも、
僕と過ごした時間を思い遣ってくれるのなら
貴方と過ごした夏を、意味あるものだと
感じてくれるのなら
何度でも言葉にしよう
幾度でも声に出そう
貴方をいつも、想っていると。
貴方をいつまでも、
哀れな僕の形見だと、忘れずにいると。
貴方がいつか、青空に還るその時まで。