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*ハジメマシテの方は「分類棚:地球儀」からお読み下さい。

02.03 Scene Collection:蒼義哲学葵の思考回路 を更新
04.19 Scene Collection:儚い想い短い休息 を更新
04.19  Scene Collection : わがままシオン を更新

kurze Geschichte...

その女性に関する記憶。
はじめに思い出すのはあの、


苛烈なる眼。
その激しさは覇者たるそれであって、なおかつ
まさに「慈愛」としか言いようのない
全てを包み込む光を宿した眼。


あなたは、この帝国の…
「母」———だったのでしょうか

<赦し>と<審判>の戦女神 --- それが 、
篁 蒼義 という、稀有なる女性の記憶の中の姿…。








souki no monolog

更新全然してないけど楽観的今後の希望:

・住人プロフに写真を入れる
・住人それぞれ全てSSに登場させる
・バラバラなSSを時系列に並べたリストを作る
・SSに挿絵を入れる
・etc


住人よ、脳内で勝手に会話しないでくれ。
ほんと・・・記録する暇ないからさ。

SC: わがままシオン


桜が乱れ咲き、花の精は風に舞い狂う。

シオンは花を愛でた。
遠く記憶に刻んだひとの幻と共に。
美しい影が甦るような春らしい、こんな陽光は嫌いではなかった。

「おいっ…シオン様が…」
「っあぁ…不気味だな…
「あの歩く凶器のような方が……桜木のたもとで何をするでもなく…こぅ、ぼーっと……」
「いや…あり得んだろう?!?!」

皇帝居住区に向かうため広大な皇居内の本通りを歩いているシオン
一応皇族であるのでホントは全然必要のない護衛官に伴われている

狂人と名高き"闇皇子"の付き人を命じられた彼らは今、とても困っていた。

「おい、どっっっどうすんだよ!!!!」
ビビりまくりである。
なにしろシオンが突然立ち止まってしまったのだ。

シオンに声をかけるなんて恐ろしくて誰もできない。何をしているのかは計り知れないが、邪魔をしようものなら首が飛ぶだろう(←護衛官達の勝手な思い込み。)

しかし彼らには定刻までにこの問題児的皇子を皇帝区へと送り届けるという任務があるのだ。議院命令なのだ。
「遅れたらどっちみち退職は確実だぜ…
「い……っいや だからってこの状況で声をおかけするのは……
それはヤバすぎるだろう?とそこにいる十数名が全員言葉にするまでもなく同意した。

見上げれば高く明るい空を埋め尽くさんばかりに咲き誇る花。
 正直なところ闇に慣れたシオンの目には明るすぎた。
 

御前会議だと?…知ったことか。なぜ私がでなければならん。
 


風がやわらかく動いてシオンの頬を撫でる。さらさらと流れる髪が肌をくすぐるのが気になって頭を振った。
  
光を受け、なおも闇を切り取ったような漆黒の髪がはらはらと絡み合う。

ぶんぶんとかぶりを振るも、悪戯な風の精霊は遊びを止めない。

あぁもう。…そう思っているところにまた悪戯好きな気配。

「シオンにぃ、何イヤイヤしてんの。かわいいねぇ」
幻をがさりとかき消すようなその声…

「クソガキ…。」

「ぁんだゃ。護衛官諸兄がお困りだろう?」

年若い"弟"。 いまの"風"はこれの仕業かとシオンは納得した。

「シオンにぃ、どうせサボる気満々だろうから連れてこいって俺お使いにだされたの。」

幼い体つきの癖に背丈ばかり高い弟。今にもシオンに追い付きそうな成長期のガキ。


「!!!ミカド様だぞ…!!!」
彼の登場に護衛官連中はかなりホッとしたはず。

 「シオンにぃー」
乱れた髪の影で暗い目元をさらにするりと細めて無関係を装うシオンに、愛を込めてフレンドリーに呼び掛ける弟
「さ…っさすがだ…ミカド様…シオン様を難なく扱っておられる。。。」

皇居内で唯一「歩く凶器」闇皇子=シオンに何の気兼ねもなく話しかけられる存在。それがミカド。

まだ幼さの残る声音、 華奢な体つき、パッと見たところやんちゃなガキ大将みたいな印象を与える。

「ミカド、ミカド、ミカド。」
「お?」
「何度も気安く人の名を呼ぶな。」
「むー、兄上はホントに往生際がよろしくない。」

しかし彼を何度か見た者は一様にこう言う。
"あれは生まれながらの王者だ。"…と。
 
「なあ、おい…」
「あぁ。…ミカド様が…」
「なん…なんだ?」
シオンの何をし始めるか解らない恐ろしさに戦々恐々としていた護衛官達はふと気づく。
 
「あにうえー…後で夜桜を肴に一杯ということで手を打たない?
「…おまえな……、」
「アオギも呼ぶよ?」
 
遠巻きにして二人を見守る護衛官達には会話の内容までは聞こえてこない。しかしその二人。ただ並び立っているよう
見えるがなにか違う。
 
 
「御前会議などお前が居れば十分だ。」
「や、でも今日のは居住区の各管轄についての話しだからシオンにぃもいないと。」
「…ふん」
「わ!凄い嫌そうな顔!!!」
 
 
方や漆黒の皇子シオン、そしてあどけなさが残るミカド。
「ミカド様はまだ15にもお成りではないと聞き知るが…」 
「いやーしかしあの立ち居振舞いと言おうか、存在感は…」
かなり重い護衛官の飾り甲冑の下で汗が伝い落ちるのがわかる。
時々に苦笑いしつつこちらを振り返って相づちを求める仕草が不似合いに思われるほどの…
「き…筋肉が引き締まるようだ…」
「圧倒的な…気迫…と言っても談笑なされているだけなのだが…」
「しかしこれは…この…生命を支配されるかのような感覚は、」
「は…ぁ恐るべしっっ…っ!」
正に生まれついての覇者!みたいな流れで一同わけも分からず感動しているのに気づいたのは、シオン…。

 
「ミカドや、おまえな、半径10メートル内に殺気を撒き散らしながら歩くのはどうなんだ
「え?」
「(無自覚かよ…よほどタチが悪いな)」
「え。 俺!?」
「…別に問題ない。 私には無害だし。」
「あ、うん(?) ね、シオンにぃ、遅くなるよ。行こうよ」
 
ミカドのやや細身な腕に背を押されて渋々桜を諦めるシオン。
 
もはや「この命あなた様の為に賭してついて参ります」的な力の入れ方で猛然とついてくる護衛官一同。
 
そんな状況に実は気づいていないわけではないミカド。
 
ある日のひとこま 。
桜木に覆われた幻。

SC:  儚い想い


空の色に染まって紅い髪

夕陽はこんなにも濃い色をしていたのだろうか

「イヌキ。オレたちは…敵同士か?」

「シンイチ・・・僕たちは、、」

彼の銀色であるはずの細く絡む長い髪は、紅く燃える

研ぎ上げられた太刀の様な、冷たい彼の表情も隠しきれない

シンイチの想い

「葵さまを護る者だ。きみも、、僕も。 」

僕と同じ、儚い想い。

「たといオメェがしくじっても、オレはヒメを護ってみせるぜ?」

「そう。僕の命ひとつでは足りない。」

濃紺に移り染まる銀の細髪が風にふわりとゆれる

一度だけ瞬き、もう僕を見ない。

もう、僕にもあの封じ難い熱のような力は感じられない。。

いつものシンイチだ。

冷たい月の結晶のような彼。



SC: 短い休息

何処に息つく暇があるというのか

何処に「満足」する理由があるというのか

世界は回り続け、変わり続けるのだ。


皇仁は己を休ませる事を潔しとしなかった。

忠誠を誓った主の為、失った者の為、失いたくない者の為、

闘い続ける事を己に課していた。




満たされない魂を抱えて、